ジャズ好き集まれ
アップライトベースを作ろう④
指板の再生をする前にやらないといけない事がありました。
実はネックにヒビがはいってましたので折れないように補強が必要です。
位置はローポジションのところで太めの長い木ねじを使って補強しようと思います。
ネックの裏からドリルで木ねじより小さ目に貫通させないように開けて、木ネジの頭が飛び出ないような座グリをいれます。縦に5本の木ネジで補強完了。
座グリの所の穴はウッドエポキシで埋めて表面をなめらかにしておく。
指板の基本は真ったいらになっていることだそうだ。
これは弦楽器の修理屋さんから教えてもらった。
指板をウッドエポキシで再生する作業は、指板の表面を一直線にしていくのが難しい。
それで、真っ直ぐなアルミ板の2×10×1000をホームセンターで買ってきて、ガイドにする。
粗目のやすりで大まかに削っていき、アルミのガイドを当て高いところを削って全体が真ったいらになってきたら、サンドペーパーで表面を滑らかにしていきます。
この後、黒のスプレー塗料で指板の塗装していく。指板とネックの境目はコーティングテープを貼ってネックにかからないようにする。
ツーバイフォーの材木はかなりの重さがあるので、軽量化の意味で背面の角をカンナで削り落とし、丸みを持たせた。あと、背面の一部の強度に影響が無い場所にメンテナンスができるように大き目の穴を開ける。
本体はツーバイフォーの材木の白っぽいままですので、ダークブラウンの塗料で全体を塗ります。
ピックアップとボリュームとジャックの配線をするけど、演奏中でもボリュームが調整できるようにしたいのと、アンプにつなぐジャックも一緒の方がいいので、真鍮板にジャックとボリュームを取り付けて、ベースの右側の側面に四角い穴を開けて真鍮板でふたをするように取り付けました。
全体の重さは14kgぐらいで普通のウッドベースと変わらない。なので運びやすいように、側面に取っ手をつけた。
このアップライトベースは肩の部分が小さいので、ハイポジションでは左手の落ち着くところがなく、音を決めるのが難しい。
ウッドベースの場合はハイポジションにいくときは、肩のところで小指がFのポジションにくるように落ち着くので、大きく音を外すことはない。
それで、ウッドベースと同じ様に肩の役目をするベニヤ板を左側面に取り付けた。
これでハイポジションで大きく音を外すことはなくなった。
これを付ける前はハイポジションにポーンと左手を持って行った時、全然違う音を押さえていた。
後、立ってアップライトベースを弾くわけですが、体がベース本体を安定して支えられるようにUの字型の鉄板を胴体の右側に自由に回転するように取り付ける。
これで、やっと出来上がり、ジャズ喫茶で弾いてみると置き場所に困った。壁の角があれば立て掛けて置けばよいが、客席の所に置くには横にして寝せた状態でないと置けなかった。これでは他のお客さんの邪魔になる。立てたままにしておけば邪魔にはならない、ということでベース本体の裏側にスタンド式の器具を付けることにした。取り外し可能にして、演奏中は外すことで解決した。
このアップライトベースをジャムセッションやライブハウスに持っていくと必ず話題になる。手作りのベースということで、どうやって作ったのか、いくらぐらいかかったのか、など様々な質問がくる。100人くらいの客のまえで演奏したこともある。司会の人がやっぱり話題にして盛り上げていた。
本物のウッドベースの音には及びませんが、今のウッドベースもピックアップを付けてベースアンプからガンガン大きな音を出しているじゃないですか。だから音的にはそこまで遜色はないとおもいます。