ジャズ好き集まれ
アップライトベースを作ろう①
私は今から40年位前、プロでやってたベーシストですが、
バンドを入れる店が減ってきてプロで生活できる環境ではなくなった
ので、今は趣味の一環としてベースを弾いてます。
ジャズでやってるバンドのグループは3バンドくらいあって、
あとグループサウンズなどをやるオヤジバンドが一つあり、
ジャズの方は定期的に月に数回にライブハウスやジャズ喫茶で
ジャムセッションとかライブをやります。
オヤジバンドの方は、ライブハウスや老人ホーム、夏祭り等のイベントで活躍中です。
ジャズをやってるとたまに狭い場所でベースを弾かされることがあります。
広い所ではウッドベースを弾いてますが、狭いとこだとウッドベース置く
スペースがないからしょうがなしにエレキベースを持っていきます。
所有のエレキベースはフェンダージャズベース(ビンテージもの)と
フレットレスに改造したIbanezのTR BASSです。
フレットレスの改造も自分でやりました。
でもジャズをやるときはウッドベースを弾きたいものです。
その頃、テレビで、いかりや長介がCMでBSXのアップライトベース
をひいてるのを見たとき、いい音してるし、場所も取らないし、
これだったら狭い場所でもできるな、と思いました。
でも値段が32万円くらいしたと思います。
この値段じゃ買えないと諦めました。
それならば自分で作れないかなと思い始めたら最後もう止まりません。
私は自分で言うのもなんですが、少しばかり手先が器用なものですから
自作する自信はありました。
作るといってもどうやって作りゃいいのか色々と思案しました。
本体は割と簡単にできそうな気はしたけど、一番ネックなのが、
それこそベースのネックです。
ベースのネックをどうやって作ろうか、材木屋を回って黒檀の木を
見に行ったりしたけど、ネックを最初から作るのは大変だなとずっと
考えてました。
しかし中々いいアイデアが浮かびません。
もう、本物のウッドベースのネックを使うしかない、
と考えるがどうやって手に入れるかが問題です。
ウッドベースの本体は壊れていてもいいので、ネックさえ使えればいいのだけど。
でもウッドベースで一番こわれやすいところは、ネックなんですね。
よくベースを倒して、一番先に折れるところがネックの部分ですから。
それでも、折れたネックでも修理すればどうにかなるのではないか、
と思い折れていてもいいから手に入らないかなと考えて、
そこで思いついたのが新聞広告でした。
ひょっとして、この広い日本のどこかに古いウッドベースを持ってる人が
居るかも知れないし、こわれたままで倉庫に眠っているウッドベースが
あるかもしれない、若い頃使っていて今は邪魔でしょうがないと思ってる人が
いるかもしれないと考え、新聞のお譲りください、という欄に
『要らなくなったコントラバス有りませんか、壊れていても構いません。
近ければ引取りに伺います。』という広告文を投稿しました。
新聞に載ってから3日ぐらいして1本の電話がありました。
古いベースがあるんだけど取りに来てくれないかという連絡です。
割と近いところだったので早速、引き取りにいきました。
この方は若い頃フォークソングをやってた人で、倉庫にほったらかされてた
ウッドベースで余りいい状態ではなかった。
ネックを確認したところ折れてはいないし大丈夫だった。
私は本体の方はどうでもよくネックさえチャントしてればよかったので、
有り難くいただきました。
それから何日かして、又ベースを譲りたいという電話がありました。
ここはちょっと遠かったけども早速家まで出向きました。
初老の御夫婦が出てこられて、このウッドベースは老後の趣味にしようとして
通販で買ったけど難しくて諦めたということでした。
まだ新しい中国製で安物とすぐわかるものでした。
新しいけどあちこち本体の板の接着がはがれていた。
アップライトベースを作ろう②に続く